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2026.09.08
変形性膝関節症の人向け筋トレ・スクワットのやり方【完全版】|柔道整復師が解説
「変形性膝関節症と診断されたけど、どんな筋トレをすればいいか分からない」
「スクワットはやっていいの?悪化させないか不安」
そんな疑問にお答えします。変形性膝関節症の運動療法は、膝そのものだけでなく、太もも・お尻・体幹まで含めたトータルなアプローチが効果的です。
本記事では、オリンピック日本代表の施術も手掛ける国家資格者の視点から、変形性膝関節症の方向けの筋トレ・ストレッチメニューを、狙う筋肉ごとに詳しく解説します。
監修・執筆者
ADVANCE世田谷鍼灸整骨院
代表 横田就馬(柔道整復師)
変形性膝関節症の運動療法で鍛えるべき筋肉とは
「膝が痛いから、膝周りだけ鍛えればいい」と思われがちですが、実際には膝を支える太もも・お尻・体幹まで含めたバランスが、膝への負担を左右します。
次の章から、これら5つの筋肉に対応したメニューを1つずつ紹介していきます。すべてを一度に行う必要はありません。まずはできるものから、無理のない範囲で取り入れてみてください。
自宅でできる筋トレ・ストレッチメニュー
① 大腿四頭筋トレーニング(膝を支える最重要筋)
太もも前面の大腿四頭筋は、膝関節を支えるクッションのような役割を持つ、運動療法の中でも最優先で鍛えたい筋肉です。
ポイント:膝を完全に伸ばしきる必要はありません。痛みが出ない角度で、太ももにしっかり力が入る感覚を優先してください。
② 中殿筋トレーニング(お尻・骨盤の安定)
お尻の横にある中殿筋は、歩行時に骨盤を安定させ、膝が左右にブレるのを防ぐ役割を持っています。ここが弱ると、歩くたびに膝へ余計な負担がかかりやすくなります。
ポイント:骨盤が前後に倒れないように注意しましょう。反動を使わず、ゆっくり動かすことで中殿筋にしっかり効かせられます。
③ 内転筋トレーニング(太もも内側・O脚対策)
太もも内側の内転筋は、O脚によって膝の内側に偏りやすい荷重バランスを整える役割を持っています。中殿筋と合わせて鍛えることで、膝への負担をより効果的に分散できます。
ポイント:座ったまま・テレビを見ながらでもできる手軽さが魅力です。膝を痛める心配がほとんどなく、初めての方にもおすすめできる運動です。
④ ハムストリングスストレッチ(太もも裏)
太もも裏のハムストリングスが硬くなると、膝の曲げ伸ばしがスムーズにいかなくなり、歩行時の負担が増えてしまいます。筋トレだけでなく、柔軟性を保つことも運動療法の大切な一部です。
ポイント:膝を完全に伸ばしきろうとせず、少し曲がった状態でも構いません。「痛気持ちいい」程度の伸び感を目安にしましょう。
⑤ 体幹トレーニング(ドローイン)
体幹(お腹まわり)が安定すると、姿勢が整い、歩行時の下半身全体の負担バランスが良くなります。膝から離れた部位に見えますが、実は運動療法全体の土台となる重要な要素です。
ポイント:膝に負担をかけずにできる運動なので、痛みが強い時期でも取り組みやすいのが特徴です。腰が反らないよう、背中を床につけたまま行いましょう。
スクワットは変形性膝関節症でもやっていい?正しいやり方と注意点
スクワットは太もも・お尻を効率よく鍛えられる運動ですが、フォームが崩れると膝への負担がかえって増えてしまうため、注意点を理解したうえで行うことが大切です。
「正しいフォーム」を意識しすぎて起こりやすい失敗
スクワットは「膝がつま先より前に出ないように」「膝を外に開くように」といった注意点がよく紹介されますが、これらを意識しすぎるあまり、かえってフォームが崩れてしまう方が実際の指導現場でも非常に多く見られます。
このように、1つの注意点だけを切り取って意識すると、別の場所に新たな負担が生まれてしまうことがよくあります。スクワットは、足首・股関節・体幹など複数の関節や筋肉が連動して成り立つ動作であり、ご自身の柔軟性や筋力バランスによって、意識すべきポイントは一人ひとり異なります。
そのため、まずは股関節・足首など部位ごとの動きを分解して確認し、それぞれが問題なく動くことを確認したうえで、全体の動きとしてスクワットに統合していく、という進め方が理想的です。自己流で「正しいフォーム」を目指すよりも、一度パーソナルトレーニングなどで自分の体に合った動かし方の評価を受けることをおすすめします。
変形性膝関節症の人がしてはいけない運動
運動療法は効果的ですが、膝に強い衝撃や負担がかかる運動は、症状を悪化させるリスクがあります。以下のような運動は避けるようにしましょう。
「運動が良いと聞いたから」と、自己判断で負荷の強い運動を始めてしまうと、かえって逆効果になることがあります。痛みのない範囲で、正しいフォームで行うことが何よりも重要です。
筋トレ以外に意識したいこと
筋トレ・ストレッチに加えて、日常生活の中で意識できることもいくつかあります。運動療法の効果をより高めるための習慣として取り入れてみてください。
運動・体重管理・生活動線の3つを合わせて意識することで、筋トレの効果もより実感しやすくなります。
当院でのトレーニング指導
ここまで紹介した運動は、あくまで「基本の型」です。実際には、股関節の柔軟性、足首の使い方、筋力のバランスは一人ひとり異なるため、同じスクワットでも意識すべきポイントは人それぞれ違います。
当院では、いきなり全体の動き(スクワットなど)を指導するのではなく、股関節・足首・体幹など部位ごとの柔軟性や動きを評価したうえで、その方に合った負荷とフォームでトレーニングを組み立てています。
「自己流でやっていたけど、フォームが合っているか不安」「動画通りにやっても、なぜかうまくできない」という方こそ、一度体の状態を評価してもらうことをおすすめします。
よくある質問Q&A
いいえ、毎日全部行う必要はありません。
まずは大腿四頭筋トレーニングなど、取り組みやすいものから始めて、慣れてきたら少しずつ種目を増やしていく形で問題ありません。継続することの方が重要です。
すぐに中止してください。
「痛気持ちいい」を超える痛みが出た場合は、フォームが合っていないか、負荷が強すぎる可能性があります。無理に続けず、回数や動きの範囲を見直しましょう。
個人差はありますが、数週間〜数ヶ月かけて少しずつ変化を感じる方が多いです。
筋力は短期間で劇的に変わるものではないため、焦らず継続することが大切です。フォームや効果に不安がある場合は、専門家に定期的に評価してもらうと安心です。
この記事の監修者
横田 就馬
国家資格:柔道整復師
施術者 / パーソナルトレーナー
日本代表アスリートや実業団選手、整形外科医と連携した施術経験を持つ、治療と運動の両面に精通したスペシャリスト。動作を部位ごとに分解して評価し、一人ひとりの体に合ったオーダーメイドの運動指導を大切にしています。