デッドリフトで腰が痛い!原因と治し方は?整骨院が教えるフォームと対策

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2026.02.05

デッドリフトで腰が痛い!原因と治し方は?整骨院が教えるフォームと対策

デッドリフトの腰痛原因と対策解説

「デッドリフトを始めてから、腰に重だるい痛みがある…」
「セット中に腰がピキッと鳴って、それ以来怖い」

高重量を扱うデッドリフトは、少しのフォームの乱れが一生モノの怪我に繋がる種目です。しかし、痛みが出る理由を解剖学的に理解し、正しく対処すれば、怪我のリスクを最小限に抑えながら、背中と下半身を劇的に変えることが可能です。

本記事では、オリンピック代表のサポートも手掛ける国家資格者が、デッドリフトによる腰痛の正体と、プロが実践する緊急度チェック法を徹底解説します。

代表 横田就馬

監修・執筆者

ADVANCE世田谷鍼灸整骨院
代表 横田就馬(柔道整復師)

デッドリフトで腰が痛む3つのパターンと緊急度チェック

デッドリフト後の腰痛は、大きく分けて「筋肉痛」「関節・筋膜の損傷」「神経の圧迫」の3パターンに分類されます。今の痛みがどの段階にあるのか、医療的な視点でトリアージ(選別)を行いましょう。

治療家が教える「腰痛緊急度チェック」

1. 前屈(前にかがむ)で痛むか?

腰椎の屈曲による「椎間板」や「筋膜」への過負荷が疑われます。デッドリフトで腰が丸まっていた可能性が非常に高いです。

2. 後屈(後ろに反る)で痛むか?

フィニッシュで腰を反りすぎることによる「椎間関節」の衝突が疑われます。骨同士がぶつかって炎症が起きている状態です。

3.もし「腰ピキ(ぎっくり腰予備軍)」を感じた場合は、無理なストレッチは厳禁。まずは安静を保ち、患部の熱感を確認してください。

筋膜性腰痛(筋肉痛)と危険な腰痛の見分け方

「この痛み、明日になれば治るかな?」と迷うことはありませんか? 正常な筋肉痛(広義の筋膜性腰痛)と、怪我による痛みの決定的な違いは以下の通りです。

判別ポイント 筋肉痛(正常) 怪我・炎症(危険)
痛みの範囲 広範囲に鈍く重だるい ピンポイントで鋭く刺さる
安静時の状態 違和感はあるが平気 じっとしていても痛む・脈打つ
持続期間 2〜3日で軽減する 1週間以上変わらない

デッドリフトの翌日に「腰の脊柱起立筋が張っている」程度であれば筋肉痛の範囲ですが、もし頻繁に腰を痛めるのであれば、筋肉の強さではなく「連動性の欠如」というフォームエラーが潜んでいます。

椎間板ヘルニア・坐骨神経痛の可能性がある症状

最も注意すべきは、腰そのものよりも「足」への異変です。

即中止・医療機関が必要なサイン

1.足にしびれ・感覚麻痺:お尻から足先にかけて電気が走る、または触った感覚が鈍い。

2.筋力の低下:足に力が入りにくく、つま先立ちや踵立ちが困難。

3.排尿障害:感覚が分かりにくい、コントロールできない等の症状がある。

「猫背デッド」がヘルニアを招く理由

背中が丸まると、腰椎の間にある椎間板の前方が強く圧縮され、中身の髄核(ずいかく)が後ろ側へ押し出されます。これが神経に触れると「ヘルニア」となります。恐怖心を持つ必要はありませんが、「正しいフォーム=椎間板の内圧を均等に保つこと」という認識が不可欠です。

猫背のデッドリフトの腰痛原因と対策解説

急性期のヘルニア状態でのデッドリフトは厳禁ですが、慢性期において「正しい重心」を身につけることは、むしろ腰痛の再発を防ぐ強力なリハビリにもなり得ます。

なぜ腰を痛めるのか?解剖学で見る「腰椎への負担」

デッドリフトで腰を痛めた時、「背筋(脊柱起立筋)が弱いからだ」と考えて、さらに腰を鍛えようとする方がいます。しかし、これは多くの場合で逆効果です。

腰が丸まったり、ピキッと痛んだりするのは、腰そのものの問題ではなく、「股関節がサボっている」ことの裏返しなのです。

最大の原因「ヒップヒンジ(股関節の蝶番)」の機能不全

デッドリフトの動きの核となるのが、股関節を蝶番(ヒンジ)のように使う「ヒップヒンジ」です。これが機能しないと、身体は強引に腰を曲げてバーベルを持ち上げようとします。

腰が丸まる解剖学的メカニズム

1. ハムストリングスの硬さ

もも裏(ハムストリングス)が硬いと、しゃがむ際に骨盤を後ろへ強く引っ張ります。その結果、骨盤が「後傾」し、連動して腰椎が強制的に丸まってしまうのです。

2. 胸椎(背中)の可動域不足

背中の真ん中(胸椎)が丸まっていると、正しい姿勢を維持できず重心が前にズレます。このズレを補うために、最も負担がかかるのが「腰椎(腰の骨)」の5つの節になります。

💪 自宅でできる「股関節機能チェック」

1.壁の前に立つ:壁から足一つ分あけて、背を向けて立ちます。
2.お尻タッチ:膝を曲げすぎずにお辞儀をし、お尻を壁にタッチさせます。
3.判定:この時、膝が前に出すぎたり、腰が丸まったりしなければヒップヒンジは合格です。

腹圧(IAP)が抜けていませんか?脊柱の不安定性の恐怖

デッドリフトにおける「天然のコルセット」の役割を果たすのが、腹圧(IAP:腹腔内圧)です。

お腹を凹ませる(ドローイン)のではなく、息を吸って「全方位へ膨らませて固める」ブレーシングが、脊柱の安定には不可欠です。

腹圧を支える4つのインナーマッスル

横隔膜(上蓋):深く息を吸うことで腹圧を下に押し下げる。
腹横筋(ベルト):お腹の周りをぐるりと囲む最も深い腹筋。
多裂筋(背骨の支柱):腰椎を後ろから支える小さな筋肉の集合体。
骨盤底筋群(底板):圧力が下に逃げないように支える土台。

整骨院の視点:肋骨の「開き」に注意

反り腰気味で肋骨が開いた状態(リブフレア)では、横隔膜と骨盤底筋群が向かい合わないため、効率的に腹圧を入れることができません。「肋骨を閉じて体幹を一つにまとめる」ことが、安全な挙上の第一歩です。

また、息を止めて強く踏ん張る「バルサルバ法」は腹圧を最大化しますが、血圧上昇のリスクも伴います。三軒茶屋ADVANCEでは、安全性を第一に考えた独自の呼吸指導も行っています。

腰を守るための必須ギアと正しい選び方

「ギアに頼るのは甘えだ」という声もありますが、デッドリフトにおいては別問題です。

特に腰に不安がある方にとって、適切なギアの使用は「怪我のリスクを最小化し、狙った筋肉への刺激を最大化する」ための賢い戦略となります。

トレーニングベルトの効果と「医療用コルセット」との違い

トレーニングベルトは「腰を締め付けて固定するもの」だと思っていませんか?

実は、ベルトの真の役割は「腹圧の壁(反発材)」になることです。息を吸ってお腹を膨らませたとき、ベルトがそれを押し返すことで、腹腔内圧が爆発的に高まり、脊柱が内側から強力に支持されます。

ベルトと医療用コルセットの決定的な違い

1. 目的:固定か、内圧か

医療用コルセットは「動きを制限(固定)」して痛みを和らげますが、トレーニングベルトは「腹圧をブースト」して剛性を高めるためにあります。

2. 柔軟性と強度

医療用は通気性や動きやすさを重視するため、高重量の負荷を跳ね返すほどの硬さがありません。デッドリフトで医療用を使うと、「守られている感覚」だけで実際には腰が丸まるリスクがあり危険です。

プロのアドバイス:巻く位置の調整

ベルトは必ずしも「腰の真ん中」に巻く必要はありません。デッドリフトで前傾が深い方は、少し上(肋骨のすぐ下)に巻くことで、しゃがんだ際の下腹部の「詰まり」を解消しつつ、強力な腹圧を維持できます。

握力の限界が腰のフォームを崩す理由(パワーグリップ)

意外かもしれませんが、「手が痛い」「握力が持たない」ことは腰痛に直結します。

握力消耗から腰痛に至る「負の連鎖」

1.代償動作の発生:握力が限界になると、人間は無意識に肩をすくませてバーを保持しようとします。

2.広背筋の緩み:肩が上がると背中の緊張が抜け、バーベルが身体から離れてしまいます。

3.腰椎への負荷集中:身体からバーが離れるほど、物理的なレバー比が悪化し、数倍の負担がダイレクトに腰椎へ襲いかかります。

筋膜の連結(アナトミートレイン)の視点で見ても、「手・腕・肩・背中」は一つのラインで繋がっています。パワーグリップを使用して「握る」労力をカットすることは、背中の剛性を保ち、腰を守るための最も手軽な解決策なのです。

【整骨院監修】腰に不安がある人のための安全なバリエーション

「腰が痛いならデッドリフトはやめるべき」というのは、半分正解で半分間違いです。

急性期を除けば、適切なフォームと種目選択によるデッドリフトは、腰椎を支える筋肉を強化する最高のリハビリになります。大切なのは、自分の骨格や柔軟性に「種目を合わせる」という柔軟な考え方です。

腰への負担が少ない「スモウデッドリフト(ワイド)」

足を大きく広げて構えるスモウデッドリフトは、通常のデッドリフトに比べて上体を立てたまま挙上できるのが最大の特徴です。

スモウ(ワイド)が腰に優しい理由

1. 剪断力の軽減

上体が起きることで、腰椎を前後から引きちぎるような剪断力が劇的に減少します。これにより、椎間板へのストレスを最小限に抑えられます。

2. 挙上距離の短縮

重心が低くなるため、バーベルを持ち上げる距離が短くなります。疲労によるフォームの崩れが起きにくく、最後まで安定した腹圧を維持しやすくなります。

骨格タイプ別診断

胴体が短く、腕が短い方は、通常のナローデッドリフトでは極端に深い前傾姿勢を強いられます。こうした骨格タイプの方は、スモウデッドリフトを選択するだけで「努力なしに」腰痛リスクを回避できるケースが多いです。

可動域を制限する「ハーフデッドリフト(トップサイド)」

デッドリフトで最も腰が丸まりやすく、怪我が多発するのは「バーベルが地面を離れる瞬間」です。このリスクを可動域の制限によってカットするのがハーフデッドリフトです。

ハーフデッドリフトを推奨する理由

1.腰の丸まりを回避:膝下付近からスタートするため、骨盤が後傾する局面を通らずにトレーニングが可能です。
2.ターゲットへの集中:背中の筋肉(広背筋・僧帽筋)への刺激は床引きと変わらず、むしろ高重量でより強く追い込めます。
3.リハビリに最適:腰痛からの復帰過程において、安全に「重さに慣れる」ためのステップとして非常に優秀です。

「床から引かなければデッドリフトではない」ということを捨て「安全にターゲットを追い込む」という実利を優先することが、長くトレーニングを楽しむための思考法です。

まとめ:痛みが出たらどうする?自己判断せずプロに相談を

デッドリフトは、正しく行えば全身のパワーと筋肉を爆発的に高める「最高の種目」です。しかし、痛みがあるまま「根性」で続けても、待っているのは長期離脱を余儀なくされる大怪我だけです。

違和感を感じたら、まずは「なぜ痛いのか」という根本原因に向き合うことが、結果的に最短で強くなる近道となります。

怪我なくデッドリフトを続ける3つの鉄則

1. ヒップヒンジの徹底

腰で引かず、股関節で引く。もも裏の柔軟性を高め、骨盤の「後傾」を物理的に阻止しましょう。

2. 腹圧(ブレーシング)による剛性

ベルトの有無に関わらず、腹圧を360度かける呼吸をマスターし、脊柱を内側から支える「天然のコルセット」を常に起動させてください。

3.高重量の前にギアを揃える。パワーグリップやベルトは「逃げ」ではなく、腰を破壊から守るための不可欠な投資です。

もし「腰がピキッ」となってしまったら…

万が一、トレーニング中や直後に強い痛みが出た場合は、以下のステップで初期対応を行ってください。

1.即トレーニング中止:「あと1回」は命取りです。その場ですぐに挙上を止めてください。
2.患部の熱感チェック:熱い感覚や拍動がある場合は、氷嚢で15分ほどアイシングを行います。逆に重だるいだけの慢性痛なら温めが有効です。
3.自己判断ストレッチの禁止:鋭い痛みがある時に無理に伸ばすと、炎症を悪化させるリスクがあります。まずは安静を保ちましょう。

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この記事の監修者

横田就馬

横田 就馬

国家資格:柔道整復師
施術者 / パーソナルトレーナー

日本代表アスリートや実業団選手、整形外科医と連携した施術経験を持つ、治療と運動の両面に精通したスペシャリスト。

病院勤務時には、トップアスリートの現場に出向き、運動指導とカラダの使い方を直接指導。整形外科での臨床経験とスポーツ現場の知識を融合させたアプローチを強みとしています。

「治療と運動が一体となった店舗をつくりたい」との想いから、整骨院併設型のパーソナルジム「ADVANCE世田谷鍼灸整骨院」を三軒茶屋に開設。

痛みの根本原因を見極める丁寧なカウンセリングと、国家資格者による安心・安全なトレーニング指導が好評を博し、現在は初心者からプロアスリートまで幅広く対応。地域密着型で“無理なく続けられる”本格サポートを提供しています。

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